悟っているかのような表情の犬
「外を通る車にわんわんと吠(ほ)え、通り過ぎたら穴に戻った」 12月5日、そんな文言と共に、一枚の写真がツイートされました。 写っているのは、民家の庭と思われる場所です。一面を落ち葉や雑草が埋め尽くし、奥の方で、なぜか白っぽい犬が地面から突き出ています。 胴の辺りまで地中に埋まる様子は、見る者に場違いな印象を与えます。さらに穏やかな表情で、じっと前を見据えている点が、ますますおかしみを誘うのです。
「何かを悟っていそう」「(忍者が使う)土遁(どとん)の術だ」「番台の人みたい」。画像には好意的なコメントが連なり、12万を超える「いいね」もつきました。
強烈な光景にぎょっとした飼い主
何とも言えず味わい深い光景は、どのようにして生まれたのか?
犬の飼い主で、写真を撮影・投稿した、会社員のけもさん(@sokonron)を取材しました。 けもさんによると、犬は雑種のレオ君(11歳・オス)です。
12月5日の午前中、一緒に自宅の庭にいたとき、近くの車道を自動車が通りました。するとレオ君が自動車に吠えかかったため、けもさんが止めようと近づいたところ、庭に空いた穴に入っていったそうです。 この穴、実は昨年秋に、レオ君が自ら掘りました。車道と自宅敷地とをつなぐ階段を上がると、カエデの木が植わっており、その根元に位置します。直径約30センチ、深さ10~20センチほどで、あまり深くはないといいます。 「昨年の冬、初めて穴に埋もれているのを確認しました。中を落ち葉で満たしておいたら、潜っていたんです。首から上だけが見え、強烈な絵面でぎょっとしました。でも穴を掘っていると知っていたため、すぐ爆笑しました(笑)」 いわく、庭は犬のものであり、穴を埋め戻すことはしません。レオ君が毎日掘り進めるうち、徐々に深くなっていったそうです。夏場は別の場所に穴が現れることもあり、今回のものは「秋から冬にかけてのお気に入り」だといいます。