犬「お客さん帰っちゃった…」 さびしそうな姿に「これは帰れない」「看板犬の鑑」
従業員の一員として、多くのお客さんを出迎えるとともに見送る姿は、訪れた人の心を癒しているでしょう。
青森県十和田市・の奥入瀬にある小さな温泉民宿『南部屋』を営む、宿主の田村暁 (@nanbuya_towada)さんは、1枚の写真をTwitterに投稿しました。
雪が積もった寒い日に、田村さんがお客さんを見送って宿に戻った時のこと。
宿の入口にあたる扉のガラス越しに、お客さんを見送る看板犬たちの姿があったのですが…。
あー……、「あー…、お客さん帰っちゃった…」
お客さん帰っちゃった。。。
一緒にお外でお見送りしたかったな……
宿主が外でお客様をお見送りし、戻るとこうなっていました。 pic.twitter.com/pDBG9pMtmF
— 温泉民宿 南部屋(なんぶや) (@nanbuya_towada) March 3, 2023
2匹とも、なんとも哀愁漂う様子だったのです!
田村さんによると、滞在中にたくさんかわいがってくれたお客さんが帰ってしまうと、2匹とも午前中は大体ショボンとしてしまうとのこと。
1年前の様子を見ても、お客さんが後ろ髪を引かれそうなお見送りスタイルです。
前から見ても、後ろから見ても、お客さんが帰って残念そうな様子がひしひしと伝わってきますね。
健気な接客に胸を射抜かれた人たちからは、「看板犬の鑑。ションボリ顔がかわいい!」「狛犬のようで神々しくも見えますね」「これは帰れない」などの声が上がっています。
看板犬の2匹は、それぞれ大変な境遇のところを田村さんに救われました。
茶色の看板犬は、九州の保健所から殺処分前日にギリギリ救出されたリュックさん。白色の看板犬は、同県の青森市にある八甲田山で保護されたクララさんです。
クララさんは、八甲田山中の国道脇に、餓死寸前で棄てられていました。
田村さんが動物病院に診せに行くと、獣医からは「飼育放棄の挙げ句のポイ捨てかな。ほとんどケージから出してもらえず、もしかして産まれてから土の上を歩いたことがないかも…」といわれたそうです。
しかし、そこから奇跡の復活を遂げ、2匹そろって元気に看板犬を務めています!
なお、2匹の看板犬は、常に館内にいる訳ではありません。
犬が不得意なお客さんもいるため、普段は裏にいて、リクエストがあると飛び出すそうです。
また、必ず宿主が一緒にいる状態で2匹と遊んでもらうため、田村さんが調理中や外出中などの時には、お客さんの希望に沿えないこともあるといいます。
そのほかの注意点はこちらをご覧ください。
・「日帰り入浴だけど、どうしても2匹と会いたい!」という人は、事前に電話でタイミングを確認。
・客室と食堂は、2匹の立ち入りを禁止しているため、遊べる場所は館内のロビー周辺。
・看板犬がいるとはいえ『ペット可の宿』ではないため、ペットと一緒の宿泊は不可。
看板犬の2匹に会うため、温泉民宿『南部屋』を訪れたくなった人も多いでしょう。
しかし、もともと常連やリピーターをメインに、少人数で対応している小さな宿で、1日に数人もしくは数組しか予約を受けられないといいます。
また、古民家を利用した昔ながらの簡素な民宿で、なおかつ低料金で営業。
旅館やホテルと違い、便利さや快適さは追及していないため、必ずしも万人に喜ばれる宿ではないそうです。
そのため、「宿の個性や注意点などを案内しているので、必ずそちらを読んで納得したうえで、ご予約いただきたい」と田村さんはお願いしています。
宿泊を考えている人は、宿への希望や、イメージとのズレがないかを確認してから予約したいですね。
紅葉シーズンを迎えるに当たり、再確認です。これから当館のご利用をお考えの方は必ず最後までお読み下さい。
①
当館は素朴で小さな民宿です。トイレ、お風呂、洗面所は全て共用でお部屋にはございません。
お部屋に冷蔵庫・エアコン・ドライヤーなどはございません。バスタオルも付いていません。…
— 温泉民宿 南部屋(なんぶや) (@nanbuya_towada) October 1, 2020
②
10月一杯まで夏期料金となり/15までストーブの設置はございません。10/15~31はストーブ使用に際しては別料金が必要になります。
すでに朝方の気温が10℃を下回ってきています。古民家で建物の気密性が低いため、廊下などはほぼ外気温と変わりません。部屋着も含めて暖かい服装をご用意下さい。…
— 温泉民宿 南部屋(なんぶや) (@nanbuya_towada) October 1, 2020
③
当館は築100年程の古民家を利用しており、奥入瀬渓流に程近い山の中にございます。当然館内や室内に「虫」は出ます。特に10月はカメムシやカマドウマが多くなる時期でもあります。本来は虫たちの領域に我々が入り込んだのです。「部屋に虫がいる」と言われましても「そうですね」としか返せません。
— 温泉民宿 南部屋(なんぶや) (@nanbuya_towada) October 1, 2020
④
当館は旅館でもなければホテルでもなく小さな民宿です。
‘’お客様の便利さや快適さは特に追及しておりません。‘’
虫が出ても寒くても当民宿は「そのような場所」です。
紅葉のピークシーズンにも関わらず、なぜ「1泊2食付き:¥5,800/お一人、諸税込」という低料金であるか今一度お考え下さい。…
— 温泉民宿 南部屋(なんぶや) (@nanbuya_towada) October 1, 2020
以上、長々と書かせていただきましたが、何とぞご理解下さい。
言葉は悪いですが、ある程度の覚悟をしてご来館下さい。そうでないとお互いに不幸です。
熱めの温泉と共にお待ちしております!
温泉民宿 南部屋
— 温泉民宿 南部屋(なんぶや) (@nanbuya_towada) October 1, 2020
[文・構成/grape編集部]
出典 @nanbuya_towada